琴川集落のすげが自生しているところを見学してきました。
緑色のが菅(すげ)です。初めて知りました。
大きいのは50cm以上に成長していました。
4月からはじまったすげ笠作りの学習会、確実に材料を確保できるよう自生地の手入れもやっていかなければなりません。
それから、山桜がやっと咲き始めました。葉っぱと花が同時に出てきます。
菅江真澄の「春風」にも記されている琴川の桜、これからが見頃ですよ!
4月1日に行われたすげ笠づくり学習会の様子を紹介いたします。
開催場所は琴川公民館、師匠含め16人、20代から80代まで幅広い年代が集まりました。
師匠たち以外皆初めての経験です。
会長の説明に熱心に耳を傾けます。
まずは、竹を削って竹骨を作ります。
そしてそれを輪にします。
竹の輪ができたら、12カ所に差し込み口を作り、6本の竹で骨組みを作っていきます。
鷹巣のTさんは魁新聞の記事を見てすげ笠の作り方を教わりたいと会長に連絡、私とも1月くらいからコンタクトをとっていました。
さすが職人さんです、はじめてとは思えないほどきれいで早かった。
加茂青砂で漁家民宿「海辺のおうち 青の砂」を経営する土井さん夫妻は発想が豊かです。
「加茂でもすげ笠講習会やろう、土井さんの民宿泊まりに行こう」と会話も弾みます。
世代をこえて、いつの間にかみんな仲良しになっていました。
次が本当に待ち遠しい。
農村はこれから忙しい季節、第2回は田植えが終わり少し落ち着いてから、私もそれまでしっかりと復習しようと思います。
珈音のある琴川集落は、昔からすげ笠作りが盛んな集落でした。
すげ笠というのは、農作業のときに日よけや雨よけとして頭にかぶる平たい円錐形のかさで、時代劇などでも見ることがあります。
すげ笠は、北前船により加賀から伝来されたといわれています。
琴川には良質の菅(すげ)が自生し、竹や山桜の木も多く、それらを材料とするすげ笠作りがこの集落に定着するのは自然なことだったと思われます。
すげ笠作りは、農作業が終わってから、冬の間の副業として行われていました。
今、半農半Xが話題になっていますが、昔はそれが当たり前のことだったのかもしれません。
そして、農村から様々な仕事が生まれていたのだと思います。
しかし、すげ笠に変わる、安くて便利なもの(麦わら帽子など)が大量生産されはじめるとすげ笠の需要は少なくなっていきました。
農作物も外国から安いものが大量に入ってくるようになり、農業で生活するのも難しくなり、農村からどんどん人がいなくなっていきました。
時代の変化の弊害を最も被ったのは農村だったのかもしれません。
しかし、今も急速に時代は変化しています。
今後は日本古来のものが見直される方向に進むのが自然な流れのような気がします。
消費者は安全、安心な食べ物を求めるようになってきており、今後の農業の可能性も大きいはずです。
それから、農業や伝統工芸に興味を持つ若者が増えているように思います。
若い新しい感覚で伝統工芸に取り組むなら、また新たなものに発展するかもしれません。
インターネットでの販売もできます。
農村から、いろいろな仕事が生まれていくかもしれません。
今こそ、農村を見つめなおすときだと思います。
安田浜に注ぐ小さな川があります。
いろいろな呼び名がありますが、地質学者の間では安田川と呼ばれているようです。
地層はこの先にあります。
ジオトレッキング当日は、橋をかける予定です。