2009年12月23日

珈音のある琴川集落は、昔からすげ笠作りが盛んな集落でした。

すげ笠というのは、農作業のときに日よけや雨よけとして頭にかぶる平たい円錐形のかさで、時代劇などでも見ることがあります。

すげ笠は、北前船により加賀から伝来されたといわれています。

琴川には良質の菅(すげ)が自生し、竹や山桜の木も多く、それらを材料とするすげ笠作りがこの集落に定着するのは自然なことだったと思われます。

すげ笠作りは、農作業が終わってから、冬の間の副業として行われていました。

今、半農半Xが話題になっていますが、昔はそれが当たり前のことだったのかもしれません。
そして、農村から様々な仕事が生まれていたのだと思います。

しかし、すげ笠に変わる、安くて便利なもの(麦わら帽子など)が大量生産されはじめるとすげ笠の需要は少なくなっていきました。

農作物も外国から安いものが大量に入ってくるようになり、農業で生活するのも難しくなり、農村からどんどん人がいなくなっていきました。

時代の変化の弊害を最も被ったのは農村だったのかもしれません。

しかし、今も急速に時代は変化しています。

今後は日本古来のものが見直される方向に進むのが自然な流れのような気がします。

消費者は安全、安心な食べ物を求めるようになってきており、今後の農業の可能性も大きいはずです。

それから、農業や伝統工芸に興味を持つ若者が増えているように思います。

若い新しい感覚で伝統工芸に取り組むなら、また新たなものに発展するかもしれません。

インターネットでの販売もできます。

農村から、いろいろな仕事が生まれていくかもしれません。

今こそ、農村を見つめなおすときだと思います。

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