2007年4月1日

 リンゴやレモンなど酸っぱい物には必ずリンゴ酸やクエン酸などの酸が含まれています。

 焙煎したコーヒーは、酸っぱいというよりは苦いというイメージの方が強いと思いますが、生豆の状態ではかなりの量の酸が含まれています。

 酸味の元となっているのは、リンゴ酸、クエン酸等ですが、これらの酸は焙煎することによって分解(化学変化)されていきます。
 
 必然的に、浅煎りのコーヒーは酸味が強く、深煎りのコーヒーは酸味が弱くなります。

 それから、コーヒーの特徴とでも言うべき酸にクロロゲン酸があります。

 クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、発ガン性物質生成を抑える効果があるなど健康にも良いとされています。

 酸味自体はわずかなものでしかないのですが、渋みの原因にもなるようです。

 このクロロゲン酸も焙煎によって化学変化していき、焙煎が進むことにより香りや苦みなどのコーヒーの重要な要素になっていくようです。

 

 焙煎の行程ではいろいろな物質が化学変化しており、それが不完全であると酸っぱかったり、渋かったり、コーヒーのうま味の成分が上手く生成できないということが起こってしまいます。

 きちんと焙煎されたコーヒーの酸味は、酸っぱいだけの飲みにくいものではなくて、スッキリしているとかまろやかであるとかうま味も感じられるとかといったものだと思います。

 酸味はあまり強調しすぎないように、うま味を引き出せるように・・・・・ 完璧にやろうとするとなかなか難しいことです。

 焙煎を取り巻く環境にはいろいろと不安定な要素が多く、毎回毎回神経を使うし、こだわればこだわるほど悩みも多くなる仕事だなぁと思います。

 

 でも、そういう難しさがあるからこそ焙煎はおもしろいです。

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